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الدبران

NHKで今放映中の朝ドラの主題歌は久しぶりに聞き応えある心に響く曲で、また、ドラマの内容も展開が面白く、娯楽の少ない中東でこの15分間はちょっとした楽しみになっています。

「アルデバラン」という主題歌の曲名が何を意味するのか、「アル・・・」などと聞くと、その「アル」はアラビア語の定冠詞ではないかと思いながらも、ずっと調べることを忘れていたのですが、やっぱりアラビア語であったということが分かり、驚きました。

アラビア語学習者にとっては周知の話かもしれず、ドラマ開始から2ヶ月半経った今となっては、間の抜けた話題ではありますが、やはりちょっと触れておきたいと思いました。

詳細は、「アルデバラン」や「الدبران」で検索するとウィキペディアを含め色々な説明がありますので、読んでみて下さい。
「アルデバラン」は、東の地平線からプレアデス星団(スバル)に続いて夜空に昇ってくることから、「後に続くもの」と言うアラビア語に由来する牡牛座α星であると日本語のサイトで説明されています。

الدبران」については、Ⅰ形の動詞「دبر」の形容詞(名詞)形である2段変化の「دبران」ということで、「كسلان」や「غضبان」などと同じ形になります。

دبر」はⅡ形の動詞で使われることが普通なので、「دبر」にⅠ形の動詞があることを今回初めて知りました。
アラビア語-英語辞書(AL-MUGHANI AL-FARID)で調べてみると、Ⅰ形には、「to follow close behind」という意味があると書かれており、「近接して後を追う」ということになるようです。

地球から「アルデバラン」までは65光年(1光年は約9兆5千億km)以上かかるらしく、気が遠くなる話ですが、天文学の解説を興味深く読みました。
占星術的には「アルデバラン」は富と幸福の星で、大吉の星のようです。
天空に見える時期になれば見てみたいと思っています。





藤井風

(前回の続き)

久しぶりにアラビア語とは全く関係のない話題となります。

ピアノで恋するフォーチュンクッキーを弾いていたのは、「藤井風」という人でした。

中学生の頃からYouTubeで自分の演奏をアップロードいた人ですが、最近本格的に売り出したようで、こういう曲を出しています。





「何なん」を英語で説明。


藤井風がこれまでにアップロードしている演奏を見て、本当に「この人何なん?」と驚いてしまいました。

ショパンなどのクラシックの演奏もありますが、クラシックはお世辞にも上手いとは言えません。

しかしながら、(ピアノ弾き語りの)シンガーソングライターとして、これからが大いに楽しみな人だと思います。

世界に目を向けて発信しようとしている人でもあるので、しっかりと応援してあげたいと思います。


恋するフォーチュンクッキー

ここ1ヶ月以上ずっとコロナウイルス関係の仕事ばかりとなっています。

中東では外出禁止令を出したり、航空機の発着を全面禁止している国も見られます。

ここバーレーンは、そこまでは至ってないにせよ、レストランは閉店(テイクアウトのみ)、娯楽施設も閉まっていて、ジムにも通えず運動不足になります。

世界中で、外出が難しい(出来ない)国が増え、それによって家庭内暴力が増えたり、鬱病になったり、基礎疾患を抱える高齢者の運動不足が健康に深刻な影響を与えかねないなどと言われてきています。

そこで、家の中で何か発散出来ることをしようかと思い、ラジオ体操ではやや物足りないので、AKB48の恋するフォーチュンクッキーの振り付けを真似てみようと、踊っている動画をYouTubeで探したところ、実にたくさんあるのに驚きました。
例えばこういうサイトを見ながら体を動かす。

恋するフォーチュンクッキーが流行ったのは今から7年前くらいですが、自治体、大学、病院、一般企業(特に鉄道やタクシー会社などの運輸関係)など多くの職場や学校・大学がこぞってこのダンスをYouTubeで披露したというのは不思議な社会現象でした。

AKB48については、アラビア語版ウィキペディアでも紹介されています。

しかしながら、アラブのメディアでAKB48が取り上げられることはほとんどないようです。

かつて、日本に興味のあるサウジアラビアの若者達と話をしたことがありますが、こういう団体歌手のスタイルはアラブでは好まれない(歌唱力がなく、数でごまかす女性集団は子供っぽく見えるとの意見が大多数)と言っていたのを思い出します。

ところで、恋するフォーチュンクッキー関連の動画を色々見ていた時に、こういう動画を発見。

ハッとする演奏で、一体この人誰だろうと思いました(続く)。

آلة المفاتيح

前回の赴任国サウジアラビアへはグランドピアノを運んだのですが、輸送料も高くハンドリングにも難があった苦い経験を踏まえ、今回バーレーンには持ってきませんでした。

そこで、ピアノを探していたのですが、探すのに時間をあまり掛けたくなく、バーレーンで有名どころと思えた楽器店を一軒だけ訪ね、そこで決めました。
バーレーン人の音楽好きは以前から聞いていましたが、店は音楽愛好家で大変賑わっていて、多くのバーレーン人や外国人がキーボードを上手に演奏していて、質の高さに驚きました。

その店はピアノ、電子ピアノ、キーボードはヤマハ製しか扱っていないので、ヤマハ製品から選ばざるを得なかった訳ですが、あまりお金を掛ける訳にもいかず、電子ピアノで妥協しました。
P-515という電子ピアノです。

キータッチはアコースティックのグランドピアノとは比べものにならず、音色もヤマハ特有のよく言えば華やかな、悪く言えばキンキン耳障りな音で、妥協の買い物とは言え相当なショックを受けましたが、気を取り直して、暫くはP-515とお付き合いしていきたいと思います。

ところで、パソコンのキーボードや楽器の鍵盤は「لوحة المفاتيح」と言いますが、電子ピアノとか(楽器の)キーボードについては、中級辞書で未登録だったのでこの機会に登録しておきました。いずれも表題のとおり、「آلة المفاتيح」と表現されますが、電子ピアノとはっきり言いたい場合には「آلة المفاتيح الإلكترونية」と言えばよさそうです。

تملي معاك " مرة أخرى "

随分前になりますが、この歌謡曲については、一度ここで取り上げました。
この中で、この曲のリンクが切れています。この曲を検索すると多数のYouTubeサイトが出てきますが、例えばこちらです。

この歌謡曲は大きなヒットを収め、その人気から、アラビア語以外の数多くの言語でも歌われることになりました。

3月末に、何のジャンルの演奏でもOKという音楽会があるので、この曲を披露しようと考えています。

改めて、「تملي معاك」の歌詞を見てみると、エジプト方言の曲ですが、一番最初の「تملي」からして、どういう意味なのか分かりません。

日本人が分からないのは当然のことで、エジプト人でないアラブ人が、エジプト人に「تملي」ってどういう意味なのかと質問しているサイトを見つけました。そこでの回答は、以下のとおりです。

تملي」は2通りの考え方がある。
一つ目は「ملى」のⅤ形の「تملى」(Tamalla)であり、これには「長生きする」とか「人に従う」などの意味があるが、この歌で使われているのはこの「تملي」ではない。
二つ目は、「تملي」はトルコ語(元々はギリシャ語)で、「تمل」は「基礎」という意味。これに「لي」が付くと「永遠に」、「いつまでも」という意味になるというもの。
تملي معاك」で「あなたといつまでも一緒に」という意味になる。すなわち、フスハーで書けば「دائما معك」となり、これが正解。

こんなに流行った歌の最初の語句をアラブ人であっても簡単には理解できないということから、改めてアラビア語の持つ奥深さを感じる次第です。


موسيقى يابانية تقليدية

表題は、「邦楽」と訳せるでしょうか。

国際交流基金の文化芸術交流海外派遣事業により、ジッダへ邦楽の演奏家の方々が来られていました。
「和心ブラザーズ&小濱明人 中東公演」というタイトルで2回のコンサートが行われました。

恐らく、ジッダで行われた邦楽のコンサートはこれが史上初だと思います。

さて、サウジ人を含む外国人の反響はといいますと、これが実に受けが良く、当地の新聞でも大きく取り上げられました。

サウジ人の若い人たちは、日本のマンガ、アニメ、Jポップをきっかけに、日本、日本文化、日本語に興味を持つ人が大半ですが、きっとこのコンサートで日本文化の新たな一面を知ってもらえたことと思います。

また、今回のコンサートでは曲目の中には、演奏家自身が作曲されたハッとするような音楽性の高い曲があったのですが、そういう曲を再び聴けるのかどうか。一期一会の機会だったのかもしれません。

ひまわり(葉加瀬太郎)

この話題もついに3回目となり、月日の流れの速さを感じます。

毎年恒例のジッダ日本人会カラオケ大会が昨日あり、3年目となった今年は、葉加瀬太郎の「ひまわり」を家族で演奏しました。
この曲は全体で10人程度で演奏されるのがオリジナルの演奏のようです。

さて、この曲を妻子3人で、如何にしてオリジナル演奏に近い形で再現させるかが課題でした。
キーボード担当の妻には、主旋律のバイオリン、出だしの電子音、リズムのビート、主旋律以外の伴奏挿入を、
子供には、シェイカー、超簡易ドラム(太鼓やシンバル音)、本当はもう一台欲しかったキーボードの電子音を真似るための風鈴の利用という工夫で、なんとか対応しました。

ひまわりの楽譜は、色々な会社から出版されていたり、ダウンロード販売で入手できますが、いくつか入手した楽譜のコードが意外にまちまちで、これらの楽譜の作成者の才能、音感、感性によって、こうも変わるものかと思った次第です。
結論としては、ピアノの楽譜については、「kmp」という会社によるものが一番しっかりしていたようで、その楽譜でもしっくりこない部分はオリジナルの演奏を何度も聞いて、修正を加えました。

さて、実際の演奏ですが、全体的にどう仕上がったのか、聴衆にどう聞こえたのかについて、演奏中にそれを感じ取る余裕がありませんでした。

演奏の模様の写真を知人から頂き、見た目にはこんな感じだったということが分かりましたが、音楽的にどう評価されたのか、評価されなかったのかについては、何も分からないまま終わってしまいました。

カラオケ大会と言うからには、歌を歌う場合には歌唱力が評価対象になると思いますが、日本人同士でワイワイと楽しむ息抜き的な行事では、歌唱力よりもエンタメ性が問われるように思います。
その点では、欧米系のこの種行事の方が、審査員団がそれぞれのパフォーマンスに対して、きちんと評定や意見を出してくれるので、やりがいはあるように思いました。

とういうことで、今回は全くアラビア語に関係のない話題になってしまいましたが、因みに、アラビア語で「ひまわり」は、
دوار الشمس」、「زهرة الشمس」、「عباد الشمس」等いくつかの表現があるようです。
 先週末、当地(ジッダ)でXPAT FACTOR (expatriate factor) という欧米人主催のジャンルを問わない音楽のコンテストがあり、当初はそのコンテスト会場(今回は英国総領事館)にはピアノがないと言うことで出場は断念していたのですが、ピアノを利用する出場者がいるため急遽用意されることになり、正味一週間しか練習できませんでしたが、妻にオーケストラ部分をキーボードで弾いてもらい表題の曲の第一楽章の最初と中間と最後を6分程度でまとめて演奏しました。


 総計約6分とは言え、チャイコフスキーのこのピアノ協奏曲は出だしから重厚な和音が多いのでまずは相当な力が、そして第一楽章の最後の部分は慌ただしいので集中力がないと続かず、練習時から相当疲れた中であっという間に本番を迎えました。
 
 当日予行演習で会場へ行くと、用意されていたピアノが電子ピアノでこれには拍子抜けしてしまいましたが、本番では、200名弱の聴衆の前でなんとかそつなく演奏を終えることが出来ました。アジア系では我々とシンガポール人が出場していました。入賞はしませんでしたが、こういう場に顔を出し日本のプレゼンスを示しておくことは、対外的にはそれなりに意義があったかもしれません。

 なお、クラシック音楽の特定の曲については(例えば、このチャイコフスキーピアノ協奏曲第一番)、アラビア語Googleで検索してもほとんど何も出てこず、クラシック音楽はアラブ人にはまだまだ未知の分野のように思います。

Tamally Maak

ちょうど一年前にこういうことを書きました。

そして、その同じ行事が今日あり、今回は、「Tamally Maak」を妻と一緒に(息子はタンバリンで盛り上げ役)歌いました。

「Tamally Maak」については、昔このブログでも取り上げたことがあります。

当時は、この曲の歌詞が載っているサイトはなかったように思いました(だからこそ、歌詞を敢えて書いたように思います)が、今や、「Tamally Maak」のウィキペディアまであります。

この曲のカラオケ版は探しましたが、みつかりませんでした。
曲の雰囲気と速度は変わってしまいますが、このサイトでカラオケの練習は出来るようです。

歌ってみた感想は、「يا عمري الجاي والحاضر يا أحلى نصيبというフレーズがあるのですが、語数と旋律がマッチしないので、この部分だけは大変歌いにくく、ごまかした歌い方になってしまいます。あとはアインの音などはしっかりと喉を絞めて出すと言うことが必要だと思いますが、なかなかそうはいってもうまくいくものではありません。歌ってみて、少しはアラビア語の発音の勉強になったのではないかと思います。

謹賀新年(2012年末~2013年始)

 明けましておめでとうございます。
 本年も宜しくお願い致します。

 年末年始は、穏やかな気候のサウジアラビア(ジッダ)で過ごしました。

 大晦日はNHK紅白歌合戦を日本に興味のあるアラブの友人と一緒に見て過ごしました。

 紅白を見て初めて知りましたが、プリンセスプリンセスが、震災復興支援のため2012年限りで再結成され、紅白がプリプリ最後の演奏であったとのこと。
http://www.youtube.com/watch?v=EvQr_3gPvNE
 こういうバンドグループの演奏の放映では、中心メンバーであるボーカルに焦点が当てられがちですが、この最後の演奏では、後部の大型スクリーンも使って満遍なく全てのメンバーが映し出され、締めくくりの演奏としては非常にバランスの取れた放映だったと思いました。
(上記のYouTubeのサイト、いつ削除されてしまうか分かりませんので、複数のリンクを張っておきます)。
→削除されてしまったようです(1月9日)。
http://www.youtube.com/watch?v=WjKxtLEdEOA

 話題をもう一つ。
 昨年のNHKの大河ドラマは「平清盛」で、地元神戸にも関係する人物であるから見てみたいなどと思いながらも、放送開始当初から批判があったりしたので見る気が起きなくなっていました。
 ようやく昨年の夏の終わりに初めて見たところ、何とも興味深く、最初から見たいとの思いに駆られ、日本のドラマ等をネットで流してる中国系のサイトで一から見始めた矢先に尖閣諸島問題が起き、中国系サイトから日本のドラマが削除されてしまったので、結局「平清盛」はほとんど見ることが出来ませんでした。
 年始に総集編の放映があり、NHKワールドの番組表のチェックを怠ったので2回分しか見れませんでしたが、改めて、この大河ドラマが何故これ程までに批判されないといけなかったのかという思いに至りました。
 画面が汚い→地デジで見れないところ(国)では、何が美しいのか汚いのかもよく分からない。
 登場人物の人間関係が複雑→大河ドラマの人間関係は概ね複雑。
 その他、ネットを検索すると、視聴率問題も含め、批判の渦....。
 ドラマ全体の3分の一程度しか見ていない者が大層なコメントは出来ないですが、(ドラマを離れ)一般的に言えば、日本においては、(政治においてもそうですが、)盛り上げようとするよりも批判に走るという方向は少し改めないと、負の連鎖で全ての物事が悪い方向へ進んでしまうような気がしてなりません。
 このドラマが最初から言いたかったであろう「武士の世を作り上げるとはどういうことなのか」をうまく伝えているように思いましたし、また、主演俳優はあの若さで平清盛の晩年の暴走老人振りをうまく演じていたように思いました。
 いずれにしても、最初から全部見れる機会があればと思っています(NHKオンデマンドは残念ながら海外では利用できません)。

 アラビア語の話題とはかけ離れてしまいましたが、平清盛はアラビア語のウィキペディアに登録されています。